Giuseppe Aresu/Bloomberg News

世界は不況ムード一色ですが、消費者が買うのを止めない商品は
確実にある、と分析する経済誌フォーブスのレポートと、
ヘラルドトリビューンの、高級ブランド都市ミラノの免税品購入者の、
国別のランキングをご紹介します。


【前年比プラスで売れているモノ】
1位.ネットブック
2位.テレビゲーム
3位.スマートフォン
4位.パーソナルケア商品
5位.組み立てブロック玩具
6位.車のメンテナンス
7位.ジムの会員権
8位.レストラン
9位.映画の券
10位.ドレスカジュアルシューズ

フォーブス


【ミラノの免税品購入者国別ランキング】
1位.ロシア人
2位.アラブ人
3位.ウクライナ
4位.中国人
5位.アメリカ人
6位.日本人

ヘラルドトリビューン


たった300ドルのネットブックが前年比+160%の勢いで売れたり、
不況の時こそ強いゲームがランキングに上がるのは当然ですが、
意外やシャンプーは前年比+18%、ニキビケア商品は+14%と、
パーソナルケア商品が、全般的に好調です。


これは、お金がかかる医者通いの代わりに、セルフトリートメントを
しようとする行動の表れだとか、現実逃避のために、気分を少しでも
良くしようとケア商品が選ばれるのだなどと分析されています。


興味深いのは、ゼイタク消費の一つとみられているジムやレストランへの
出費が減らないこと。ただしレストランの場合は、家で作るより便利で
安価なファーストフードの比重がより高まるとの予測です。


とにかくランク入りしたのは「現実をちょっと休憩」するためのものばかり。
昼寝から覚めたらすべてがうまくいっていた、となってほしいものだと
記事は締めくくっています。


一方、今高級ファッションの街ミラノで豪勢にお買い物をするのはロシア人で、
ミラノの免税品購入者の38%を占めます。ウクライナ人は、人数比では
順位は3位ですが、一人当たりの購入金額は1,556ユーロ(約20万円)と、
ロシア人の968ユーロや中国人の789ユーロに比べ圧倒的に高くなっています。
これは、ウクライナ人の宝石類の購入率が高いからで、宝石だけで見ると
平均購入額は12,000ユーロ(150万円!)となります。


大きく比率を下げたのは日本人とアメリカ人で、かつては
24%、38%もの率だったのが、今は4%以下となりました。


世界の景気減速の影響を受け、高級品の街ミラノも例外でなく旅行客の
品定めは厳しくなっているとのことです。かつては15万ユーロのセーブル
の毛皮が売れ筋でしたが、今は7万ユーロのフォックスに落ち着いているとか。
それでも、7万ユーロと言えば、現在の為替相場でも900万円近くです。


この不況に勝つには、シャンプーの商品開発でヒットを飛ばすか、
ロシア人やウクライナ人をターゲットにしてビジネスするのが良さそうです。